ノーベル賞、湯川秀樹博士の鉄板ジョーク!

昨日、東京新聞に拙著を掲載していただいたのが、あまりに嬉しく、
今日も、湯川秀樹博士のエピソードをご紹介



私の恩師が、湯川博士の孫弟子なので、私は「ひ孫弟子」に当たるというのは、昨日、ご紹介した通り。


私の恩師が、まだ、大学院生だったとき、湯川博士の演習ゼミを受講した。


その頃、湯川博士は、鉄板ジョークをお持ちだった。



素粒子は、あまりにも小さいので、黒板に書くとき、点で表現する人が多い。

でも、これには湯川先生は大反対!



小さいとはいえ、素粒子も空間的な広がりを持つ。

(専門的には、場という)

だから、点ではなく、丸で表現すべきだと力説されていた。



その話のオチとして、湯川先生が必ず口にされていたのは・・・・、

「素粒子をテン(点)で表すのは、テンで駄目だ!」



湯川先生には申し訳ないが、正直言って、笑えるジョークではない。


だが、大学院生は、みんな、湯川博士に心酔していたので、
気を遣って、教室は、必ず、大爆笑になったという。


だから、湯川先生は、「これは鉄板ネタだ」とお考えになり、サービス精神で、お話に多用されていたようだ。


実は、以上の話しを、私は、恩師からなんども聞かされていた。

なぜなら、私の恩師は恩師で、この話を鉄板ジョークだと考えていたようだからだ。


彼の話にも、次のようなオチがついていた。

「素粒子をテンで表すのは、テンで駄目だから、マルで表せと、
湯川先生はおっしゃるが、ジョークのレベルは、マルで駄目だ!」

これは、どう考えても、湯川先生のジョーク以上に、もっと笑えない。


だが、単位を落とされるのを恐れて、私も同級生も、無理無理、大爆笑!


おかげで、卒業まで4回もこの話を聞かされるハメになった!



ちなみに、今年、ヒッグス粒子の発見がニュースになったとき、「中身がさっぱり理解できない」という人が多かった。

私は、その理由の一つが、ヒッグス粒子をテンだと思っているからだと分析している。


ヒッグス粒子というテンが重力を与えるというから、わけがわからなくなる。


はじめから、ヒッグス場というマルが重力を与えるといえば、理解しやすかったはずだ。



湯川先生がご存命なら、ぜったいに、このことを指摘されたはずだ!


天国でお嘆きかもしれないので、湯川先生に代わって、声を大にしていいたい!

「ヒッグス粒子のマスコミ報道は、テンで駄目だった!」

湯川博士の逸話は、「元素周期表で世界はすべて読み解ける」(光文社新書)の第2章でで紹介しています。

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